ツブヤキ屋台《22話》
【47の、おいさんのトキメキ】
産まれて47年、工業高校を卒業して高層建築現場の施工管理職として一筋。天職だと思い、楽しく、そして厳しさを乗り越え、自分で言うのもなんだが?頑張ってきたと思う。
そして、今?廻りを見渡せば?浮いた話しも遠い過去の話で、年老いた両親と、これまた未婚の姉との4人暮らし。
そんな、おいさんにも転機が訪れる。
体力的に、施工管理職 巷で言う 現場監督の仕事も、現実非常に過酷である為、転職した。
現職はというと?施工管理って言えば?そうなんであるが?ゼネコンの施工管理職とは、違いiPad片手に、某大手自動車会社や、宅配会社やら、コンビニの営繕業務である。ここでは、ほぼ毎日遠距離を車で廻り、あっちゃこっちゃ、移動に移動をしては建物調査、点検、見積り、発注、工事、請求を繰り返す。
今までとは、うって変わって体力的負担は少ない。おいさんの住んでいる県内でも?仕事の都合上、初めて訪れる地域があるのだ。
そんな時、たまたま昼時になったので?近くにあった、ラーメン屋に入る。元々、おいさんは、ラーメン好きなので、ちょっとこだわりがあるのだ。世界的にも有名な博多豚骨ラーメン!これ最高に旨い!しかし、そこは?
豚骨ではなく、辛さを売りにしている、お店だったので、少々不安では?ありつつも、そこしかないので?しょうがない。適当に腹が満たされれば良い。お店に入る。
女性スタッフで固めた?ちょっと変わった?
お店だった。仲間達3人で入った。午後の休憩時間も兼ねて、特段期待もせずテーブル席に陣取る。その直後だった❗️
注文をとりに来た女性スタッフ❗️
おいさん❗️固まった❗️......。可愛い....❗️
と言うか?背筋を伸ばして注文を受ける姿、容姿❗️綺麗❗️でも?若そう。
注文は、とりあえず適当に済ませ、仲間達に
思わず大きな声で「すっげ~べっぴんさんやったの~!」仲間が、慌てて おいさん!まだ後ろにおるわ!って?
関係ないわ!ラーメンと同じように、女性のタイプにもこだわる、おいさん。
久々に本当に、ビックリした。ドストライクだ❗️その後も、その地域の発注が決まり、度々遠路、高速道路を走り通う。協力業者の専務と通う様になった。正直ごめんなさい。
不味いんだけど?専務も迷惑だろうが?
付き合って貰う。おいさんが全額出すから!
営繕仕事。悲しいかな?数日で仕事が終わる。しかし❗️チャンス❗️到来❗️完了書を貰いに行く事になり、おいさん1人で高速道路をとばす❗️胸の高鳴りが自分でも、くっきりわかる。ただ?不味いのに?いつも昼時は賑わっていたので、時間調整に入る。会社を昼時前に出て、当該現場に完了書を持って行き押印して貰った後に、14時頃その お店の開き戸を開けると❗️彼女である❗️目が合う❗️
彼女が100万$の笑顔で❗️「今日は❓お1様ですか?」って?「今日は❓」って?
ちゃんと?おいさんの事?「お、ぼ、え、て、る」❗️「あっ、ハイ!」って?おいさん
イイトシして?舞い上がっている。
当番なのか?注文は別の娘がとりに来た。
彼女は?どこに行った?....厨房だ..❗️
おいさんの為に、あの不味いラーメンを作ってくれている❗️額の汗を時折拭いながら❗️
カウンターに座った。
至近距離1メートル以内にいるも?カウンターの立上がりが思いの外高く、顔が見えない....。しかし、数分後、彼女自ら持って来てくれた❗️今日と言う日を「おいさん!雲に乗るデー」と命名しよう!今日は1人だし!彼女のだし!ゆっくりと味わってみた!
あの不味いラーメンが?若干、旨く思えた。
たまに、スマホをいじる振りをして、彼女の
美顔を楽しむ!ストーカーでは?ない。
客だ。
それだけで、満足感に満ち溢れ❗️
お会計へと。また彼女が来てくれた❗️
「レシートは?どうされますか?」彼女。
「そんなの、要らないから!電話番号教えて!」若ければ?言えるのだが....。
「あっ!い、いいえ結構です....。」
おいさんの 精一杯の返答....。
お店を出る時、「また いらして下さい!」
......。完璧過ぎる!おいさんのハートを
鷲づかみ!
そこは、チェーン店なので?
また、その地域に行かないと!彼女に会えない。47の おいさん!只今、恋患い中である。